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レビー小体型認知症は、日本ではアルツハイマー型認知症、血管性認知症とともに三大認知症と呼ばれ、欧米ではアルツハイマー型認知症に次いで2番目に多い認知症と言われているように、頻度の高い認知症で、日本では高齢者の認知症の約20%を占めます。この病気は1976年(昭和51年)以降の小阪憲司(レビー小体型認知症研究会の代表世話人)による一連の研究報告により国際的に知られるようになり、1995年の国際ワークショップで「dementia with Lewy bodies (DLB) :レビー小体型認知症」と名づけられたものです。  

レビー小体というのは、もともとドイツのLewyによりパーキンソン病の脳幹で発見され、1950年代にパーキンソン病の診断には欠かすことのできないことが明らかにされました。しかし、当時はパーキンソン病では認知症はあまり起こることはないと考えられ、またこのレビー小体は大脳皮質には現われないと考えられていました。しかし、先述したように、小阪が認知症とパーキンソン症状を主症状とし、大脳皮質にもレビー小体がたくさんみられる症例を何例か報告し、これを1984年に「diffuse Lewy body disease: びまん性レビー小体病」と名づけ、欧米では見逃されていることを指摘して以来、欧米でも注目されるようになり、1996年にレビー小体型認知症の診断基準も発表され、臨床診断が可能になり、国際的によく知られるようになりました。

この病気は、高齢者に多いのですが、40歳前後でも起こります。記憶障害を中心とする認知症があり、ありありとした幻視やパーキンソン症状(体がこわばり、動作が遅くなり、転び易くなるなど)が現われやすく、日により時により頭がハッキリしていたり、ぼーとしていたり変動がめだったりすることがあるとこの病気が疑われます。しかし、早いうちには認知症がめだたず、幻覚や妄想、抑うつといった精神症状がめだつこともあり、パーキンソン症状が初めに起こってくることもあります。

この病気はしばしばアルツハイマー型認知症などと誤診されており、適切な治療を受けずにいることが少なくありません。最近は「レビー小体型認知症」という名前が日本でもよく知られてきましたが、診断・治療は専門医でないとむつかしいので、疑われる場合にはぜひ専門医を受診してください。  レビー小体型認知症も早期発見・早期治療が重要です。認知症がまだ目立たないうちに精神症状やパーキンソン症状を治療することにより、介護も随分楽になります。

2006年11月に横浜で国際ワークショップが開催されたのを機会に、2007年の11月には第1回レビー小体型認知症研究会が横浜で開催されることになりました。以後研究会は、発足したレビー小体型認知症家族を支える会とともに毎年11月に横浜で開催されています。
  
※専門医師一覧(小阪先生推薦)は、コチラ(2013年11月12日版 PDF 0.3Mb)

レビー小体型認知症の臨床診断基準(2005)
 
代表世話人 小阪 憲司

1939年生まれ。金沢大学医学部卒業。

名古屋大学医学部精神医学教室講師、 東京都精神医学総合研究所副参事研究員、 横浜市立大学医学部精神医学講座教授、 福祉村病院院長、聖マリアンナ医学研究所所長、横浜ほうゆう病院院長、メディカルケアコートクリニック院長を歴任。

現在、クリニック医庵センター南、レビー小体型認知症研究会代表世話人、横浜市立大学名誉教授。
「レビー小体型認知症」を1976年以降の一連の報告の中で明らかにした。
 
 
 
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